小児矯正

お子さまの歯並び、どうなっていますか?

永久歯が生えそろうまでに

乳歯が抜け始めたら、永久歯がそろうまでの各段階で、お子さまの歯並びをしっかりチェックしてもらいましょう。
乳歯列期には歯並びが整っていたのに、永久歯は互いに重なるような位置で生えてしまったというお子さまはよくいらっしゃいます。

歯並び・噛み合わせが悪いと心配なこと

  • よく磨けず、虫歯・歯周病が発生しやすい。
  • よく磨けず、口臭の原因になりやすい。
  • よく噛めない。
  • あご周りのシルエットに悪影響を及ぼす。
  • クリアに発音できない。

などが考えられます。

不正咬合にともなう三つの症状

  • 鼻呼吸ではなく口呼吸になる。
    → その影響で、口臭や感染症のリスクが高まる
  • お口がポカンと開いてしまう。
    → その影響で、口臭・虫歯・歯周病・顔の形成のゆがみが心配される
  • 食事の時、十分に噛めない。
    → その結果、消化不良を起こしたり歯周病の引き金になったりする可能性がある

以上のような症状が予想されます。

上下の噛み合わせに問題がある「不正咬合」は、そのままだと日常生活にまで悪影響を及ぼしかねないものです。

お子さまの歯並びが悪くなった要因

あごが小さい

歯並びが悪くなる要因は様々あります。「あごが小さい」という要素も、その一つです。あごが小さいと、永久歯はぎゅうぎゅう詰めになり、空いたスペースを求めて本来とは違う位置に生えてしまいます。その結果、歯並びが悪くなってしまうというわけです。

永久歯が生えそろってからの矯正と比べて

基本的には、歯列矯正とは「歯を動かす」ものです。動かせるのは歯のみなので、あごの大きさは変わりません。あごのスペースに対して歯の本数が多ければ抜歯することで本数を減らし、それから矯正しなくてはならないこともあります。
当院では、歯並びに加え、あご自体の状態改善を目指す『顎顔面矯正』を提供しています。ほとんど抜歯せずに歯並びや噛み合わせの改善を目指せる矯正方法です。

これが顎顔面矯正

お顔の骨格まで考慮する矯正治療

顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)には、ほかの矯正治療とは違う特徴があります。歯並びと噛み合わせだけを診るのでなく、

  • あごの骨
  • 歯の土台である歯槽骨

などお顔の骨格や

  • 歯肉
  • 筋肉

といった軟組織も考慮し、お顔の下半分をより良く整える矯正治療です。

お子さまのお口の環境や歯並び、不正咬合の状態を確認し、それぞれに合った矯正装置を選んで治療を進めます。

顎顔面矯正をする良さ

顎顔面矯正の大きな特徴

これは、名前が表すように「あご」の骨に働きかける矯正方法です。
お子さまの成長に沿って、歯槽骨を含む顎の骨の成長を戦略的かつ自然な方法で促進し、本来の正しい噛み合わせをつくっていきます。
その先に、美しい歯並びが完成することを期待するというわけです。

力をかけて歯を動かす矯正ではありません

矯正は歯にワイヤーをかけて移動させるものというイメージが根強いのではないでしょうか。顎顔面矯正は、成長期に合わせ、あごの発達を専用の装置で後押しするものです。

  • 歯に不自然な力をかけない。
  • 歯に傷をつけることはない。
  • 骨格の成長に沿った変化であり、矯正後に戻ることはほとんどない。

このような良さがあります。

床矯正治療

小児矯正にはいろいろな方法があり、その中で「床矯正装置」という入れ歯のようなプラスチックに金属のネジやワイヤーが付いた器具で歯並びを整えるのが、床矯正治療です。お子さまのあごに合わせて器具を調節、歯を動かしあごを広げて、歯並びを整えていきます。床矯正治療は器具を使うほかに、悪いクセや習慣の改善、筋機能の向上、食育などと合わせて、治療を進めていきます。なお、床矯正治療は成人矯正にも応用可能です。ただし、ご年齢や歯並びの状態によっては、ワイヤー矯正が必要というケースもあります。

見慣れない器具をお口の中に入れることを、最初はお子さまも親御さまも不安に思われることでしょう。けれども、正しく使えば痛みや虫歯のリスクが少なく、抜歯せずに歯並びを整えられる期待が大きい治療方法です。学校に行く時は、器具を外すこともできます。ただし、外している時間が長いと、計画通りに治療が進みません。治療期間が長引くこともあります。床矯正治療は幼いご年齢でも始められる治療なので、お子さまの歯並びが気になったら、当院へお問い合わせください。

ワイヤー矯正治療

小児矯正であごの形や大きさを整え歯の土台づくりをした後、永久歯が生えそろってから行う矯正が、ワイヤー矯正治療です。歯の表面にブラケットというボタンのような器具を貼り付け、それにワイヤーを通します。大人の方に広く用いられる矯正方法でもあります。

歯の位置を細かく調整しやすい一方、矯正装置が邪魔で歯が磨きにくくなるため、虫歯などのお口のトラブルには注意が必要です。ワイヤーを調整したばかりの時期は、痛みを感じることがあります。

ブラケットは銀色の金属製が主流ですが、白や透明で歯の色に馴染むブラケットもあります。

ワイヤー矯正治療の良さ

  • 歯を動かしやすいので、ほかの矯正方法よりも治療の期間が短い。
  • ブラケット周辺の汚れは目で確認できるため、歯磨きのきっかけになる。
  • 応用範囲が広く、歯1本1本の位置や高さを調整しやすい。