妊娠中の方のための歯科診療
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マタニティ歯科 ~マイナス1歳からの予防診療~

出産で歯が悪くなった

これは出産を経験された方からよくお聞きする言葉ですが、妊娠すると心も体も普段と変わるため、お口の中にも普段とは違ったリスクが生じます。
不安なくご出産を迎えることができるよう、妊娠中の方のための歯科診療ではこういったリスクからお母さまのお口の健康を守れるようサポートします。

妊婦により起こりやすいリスク

①妊娠性歯肉炎

妊娠性ホルモンの分泌により、通常より歯茎が腫れやすくなります。
また、歯肉炎から重度の歯周炎になると、早産や低体重児出産のリスクが高まる可能性が指摘されております。

②つわり(悪阻)と酸蝕症

つわりの時期はすっぱいものが食べたくなったり、嘔吐を繰り返したりすることから、歯が酸により溶けてしまうことがあります。

③唾液の変化

唾液がネバつきやすくなったり、分泌量が低下したりすることで虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなります。
また、口臭の原因にもなります。

妊娠中の歯科治療

妊娠中に虫歯処置などが必要となった場合も、麻酔や薬を使用しない治療であれば基本的には問題ありません。
また、安定期(14週~24週)くらいであれば大体の治療を行うことは可能です。
ただ、やはり妊娠中の治療は可能な限り避けましょう。
常日頃からの定期的なメインテナンスが重要となります。

妊娠中のレントゲン撮影、お薬、麻酔について

妊娠中のレントゲン撮影

レントゲン撮影により胎児や母体に大きな影響はありませんが、基本的に当院では妊娠中の撮影は極力控えさせていただいております。
その場合、できる処置も限られますので応急処置にとどめることもあります。

妊娠中の麻酔

麻酔に関しては、痛みを我慢するほうが母体へのストレスとなりますので必要であればご了承を得てから使用することもあります。
使用する麻酔液は乳幼児や帝王切開時にも使用するものです。
また、注射針も非常に細い針を使用しておりますので、よりストレスを抑えて治療を受けていただけます。

妊娠中のお薬の服用

お薬に関してはできる限り服用を避けたほうがよいでしょう。
特に妊娠初期は赤ちゃんの器官を形成する時期ですので注意が必要です。
念のため当院でもリスク・副作用が少ないお薬の準備はありますが、基本的に服用はご提案しておりません。

生まれてくる赤ちゃんのお口の中は無菌状態

虫歯菌などの細菌は唾液を介して感染しますので、できるだけお箸や食器は分けるようにしましょう。
また、お母さまやお父さまに虫歯があると感染リスクが上がりますのでご家族のお口のメインテナンスも大事です。
3歳まで感染が防げれば、将来虫歯になりにくくなると考えます。

マタニティ歯科治療のQ&A

Q

妊娠中に歯科治療をしても大丈夫ですか?

A

歯科治療は可能です。
安定期とされる妊娠中期(5ヶ月~7ヶ月)が望ましいです。
この時期は、ほとんどの方が問題なく治療が受けられます。
妊娠初期や、母体に負担がかかる時期は、緊急を要しない限り応急処置や口腔衛生指導にとどめます。
歯科治療を受ける前に、産婦人科の担当医に一度相談されるといいでしょう。

Q

妊娠したらお腹の赤ちゃんにカルシウムを取られて歯が弱くなるって本当ですか??

A

これは赤ちゃんのせいではなく、つわりなどによってお口のお手入れが行き届きにくくなるからです。
妊娠すると、唾液の分泌が減少し、酸を中和する能力が低下してしまい、虫歯になりやすいのです。
虫歯・歯周病予防がとても大切ですね。

Q

いつ歯磨きをしたらいいですか?

A

お口の中に細菌が多い、朝起きた時です。
起きたばかりの口の中は、ウンチ10g分に相当する細菌(プラーク)でいっぱいです。寝ている間に細菌が増えるため、少しでも多くのプラークを取り除く目的で、寝る前も大切です。
◆歯磨きの目的は、歯や歯と歯茎の境目に存在するプラーク(細菌の塊。食べカスではありません。)を取り除くことです。
◆歯磨きの方法は行きつけの歯科医院にてご相談ください。